幅広い世代を魅了するジャズフェス― Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017

「横浜」と「ジャズ」の関係は深い。関内、桜木町、野毛周辺にはいくつものジャズバーやライブハウスが現在も軒を連ね、毎年10月に開催される『横濱ジャズプロムナード』(通称・ジャズプロ)は、すっかり横浜の秋の風物詩となっています。

そんなジャズの街・横浜で2015年よりスタートした『ブルーノートジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン』(以降、BNJF)。3年目を迎える今年は、開催日程を2日間に拡大。さらに、昨年に引き続き観覧無料ステージも設置されるなど、内容の充実ぶりが際立っています。

BNJFの魅力の1つは、往年のジャズファンから若い世代の音楽リスナーまで、幅広い層が楽しめる出演者ラインナップが組まれていること。9月23日(土)・24日(日)の開催を前に、今年の注目すべきポイントをご紹介します。

AORの伝説的アーティスト ドナルド・フェイゲンが両日登場!

70年代の後半から80年代にかけて一世を風靡した音楽スタイル=AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)。ジャズ、ソウル、フォークなどの要素を織り交ぜたハイブリッドかつ洗練されたサウンドは、“大人のロック”として人気を獲得しました。

そのAORブームの立役者となったのが、ロックバンド「スティーリー・ダン」のボーカリスト兼キーボーディスト、ドナルド・フェイゲンです。

1982年にアルバム『The Nightfly』でソロデビューを果たしたドナルド・フェイゲン。歴史的名盤と評されることも多い『The Nightfly』のリリースから35年、ソロ・アーティストとしての初来日公演がBNJFで実現します。

20代の若手ミュージシャンで構成されたバンド“ザ・ナイトフライヤーズ”と共にどんな歌声とサウンドを披露してくれるのか、AOR世代の方は特に興味をそそられるはず。貴重なステージに期待が高まります。

また今年出演するベテラン勢では、世界最高峰のアルトサックス奏者、デヴィッド・サンボーンのパフォーマンスも見逃せません(23日・BIRD STAGE出演)。日本を代表するトランペット奏者、エリック・ミヤシロ率いる“ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ”との豪華なコラボを繰り広げます。

次世代を担うソウルシンガー リアン・ラ・ハヴァス

2011年に鮮烈なデビューを飾った英国出身のシンガーソングライター、リアン・ラ・ハヴァス。1stフルアルバム『Is Your Love Big Enough?』が英国版iTunesの<アルバム・オブ・ザ・イヤー>に選ばれるなど、デビュー当初より注目を集める存在でした。

<リアン・ラ・ハヴァスは23日(土)のDIZ STAGEに出演>

プリンス、アクアラング、ロバート・グラスパーといったワールドクラスのアーティストとの共演・コラボを重ねてきた彼女は、名実ともに若手屈指の実力派。優しく耳に残るスモーキーヴォイスと、シンプルながらも深みのあるアコースティック・ソウルサウンドが、横浜の開放的なロケーションと溶け合います。

その他にも、現行ジャズシーンの中心的人物といえるサックス奏者、カマシ・ワシントン(24日・DIZ STAGE出演)をはじめに、2度のグラミー賞受賞経験を持つジャズシンガーのグレゴリー・ポーター(24日・BIRD STAGE出演)、超絶テクニックと斬新なスタイルで注目のドラマー、クリス・デイヴ(24日・DIZ STAGE出演)なども登場。今年のBNJFは、まさに見所の宝庫です

豊かな音楽体験につながる2日間

長きにわたって愛されているベテランアーティストから、現代の音楽シーンを切り開いていく若手アーティストまで、バラエティ豊かな出演者を毎年揃えているBNJF。今年はそのカラーがよりいっそう色濃くなっているように思えます。ジャズを軸としながらも、ソウルやヒップホップなど様々な音楽エッセンスを凝縮したラインナップは、必ずや幅広い世代の音楽ファンの心を捉えるはずです。

<BNJF2017公式Spotifyプレイリストをチェック!>

若い世代の音楽ファンがドナルド・フェイゲンなどの円熟したステージングに触れることができ、年配世代の音楽ファンはリアン・ラ・ハヴァスやカマシ・ワシントンをはじめとするフレッシュな才能を堪能できる。そのような意味でBNJFは、「豊かな音楽体験を提供してくれるジャズフェスティバル」とも言えるでしょう。

横浜のシンボルである赤レンガ倉庫の開放感あふれるロケーションの中で、ジャズの魅力を全身で感じてみてください。